1コ下のキミ


「じゃあお前、今日告白しろ」


洸稀の言葉に、一瞬意味が理解できなくなる。

きょー……?


「は!?」

「どこでもいい、どっか2人になれるところに連れてって告白しろ!」

「え、でも好きって彼女に伝えるだけなのに、そんないちいち場所選ぶとか――」

「お前は一体何がしたいんだ!?」


ダメだ、自分でもわけがわかんなくなってくる。

思った以上に難しい。


「龍、お前雰囲気自分から出すのが難しいなら、彼女が出した時に言えよ」

「……どういう意味だ?」

「甘えて来させる雰囲気を先につくって、相手が甘えて来た時にすかさず言葉にする」


郁未に、雰囲気を作らせる?

なんだかいい案が出たらしい洸稀の話にくぎ付けになる。


「付き合ってない奴らが告白する時は甘い雰囲気も何も作れないから場所選んで言うけど、付き合ってるならどこでも自然とそう言う雰囲気になれるはずだ」

「言われてみれば、そんな気がしないでもない……」

< 146 / 157 >

この作品をシェア

pagetop