1コ下のキミ
「一緒にいたいと思ったから、龍河くんにキスしたんだよ。……もういい?ヤダもう恥ずかしくて死ぬ……」
「死ぬなら外出てからにしてやれ」
観覧車も、終わりが近づいてきた。
地上だ。
係員が『おかえりなさい』と言って扉を開ける。
一通り話が出来て満足した俺は、郁未の手をさらって、絡めた。
「それじゃ、改めて。これからよろしくな」
そう言ってニヤリと笑う俺。
「……ヨロシクオ願イシマス……」
素直になれない1コ下のキミ。
2人、手をつないで一緒に帰った。
未来の事はわからないけれど、これから先もずっと彼女と一緒にいられれば、それが俺の幸せだろう。
今が幸せなら、未来の過去も幸せになるのだから。
end…