1コ下のキミ
「途中から戻る」
「まぁ、サボりよりマシか?」
そんなことを言ってる由季渡こそ、卒業出来ねぇんじゃねーかと思う。
「なぁ」
「ん?」
「三番て、女子論派?自己論派?」
「……いきなり意味不明だな」
……だろうな。
「忘れろ」
「余計気になるだろ?」
「知らねぇ」
俺は座って自販機にもたれかかった。
見上げると、眩しいほど澄んだ青空が広がっている。
「……マジ、意味わかんねぇ……」
アイツがつっかかってくる理由や、女子論を語る理由。
こんなことに意識が集中する自分。
「俺はお前が意味わからん」
由季渡の答えを、俺はスルーした。