1コ下のキミ


心あたりがないのにそう言われても困る。

でもまぁ、今まで暴言吐いてた奴らの誰かが泣いててもおかしくないのかも……なんて考えれば……まぁ、泣かせたのかもしれない。


どうやら木岐さんの大事な大事な妹を俺は泣かせたらしい。

……なんて言っても木岐さんには会わせてもらえないだろうし、その妹がわからない以上、詫びのしようもねぇ。

……どうしろっつーんだ?


「龍河くん」


目の前に現れたのはアイツ。

どうやらいつの間にか六時限も終わっていたらしい。


「んだよ?」


にっこり笑ってやがる。

この笑顔が無償にイラつく。


「今日は解散出てるんでしょ?一緒に帰ろう」


……なんでこいつが知ってるんだ?

たった今さっき解散っつわれたばっかなのに……?
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