1コ下のキミ
なつくな
「龍河くん!」
そう言っていつもの笑みを向けてくる。
「……またムシですかぁ〜?」
「……」
「お兄ちゃんがね」
「仲良くしようじゃないかクミ」
「イクミだってば!」
何かあれば兄、兄、兄。
俺を脅して楽しいか?
一体なにが楽しいんだ?
てか何がしたいんだ?
そんなこと言いながらも、結局その兄には会っていない。
どうやら誤解も解いてくれたらしく、あれから解散はまだ出てない。
「龍河くん?」
「なつくな」
「もう一回ちゃんと名前呼んでよ」
「……ピクミン」
「だから、イクミだってば」
そう言って拗ねる姿も、もう見慣れたもんだ。
なんてったって、毎日同じことの繰り返しだ。