1コ下のキミ


……なんか、説教されてる気分になった。


でも、洸稀の言う通りなんだろう。

俺が相手をしなければ、俺以外は逃げてしまうなら、それをアイツがツラく思うなら……俺は受け止めるべきだろう。

それがアイツを救うことにもなるだろう。


「……だから、知ろうとしてるっつっただろ」


周りなんて、状況なんて関係ねぇ。

周りなんか見たって流されんのがオチだ。

そんなんなるくらいなら見ないほうがいい。


「どうせ俺もクラスじゃ浮いた存在だしな」

「女子から可愛がられてんじゃねーかよ」

「なんでそんなことお前が知ってんだよ!?」

「さぁな〜」


『木岐郁未』を知ろうと思った。

でも、今までの理由とは違う。


俺の安全のために、じゃなくて。

単に、興味が生まれた。

『木岐郁未』に興味が湧いた。
< 49 / 157 >

この作品をシェア

pagetop