1コ下のキミ
「だから女子的論か!!」
「は……?」
今度の『は……?』は、木岐郁未の番だった。
「女子的……あ。あぁ、うん、そう。そんな感じ」
女子的女子的言ってた意味がやっとわかった。
『お前には意志がないんだな』
そう言ったあの日、木岐郁未は感動のあまり泣いたと言った。
俺が木岐郁未の気持ちを知ろうとした素振りをみせたから。
自分を出してもいいんだと思ったからという意味もあったのかもしれない。
でも、表に出したことがなくて、なかなか言い出せなかったのかもしれない。
木岐郁未は、今まで自分の中でひっそりと格闘していたのかもしれない。
喜びと羞恥心、二つの感情で。
今までも、格闘してたのかもしれない。
でも……それも叶わず終いだったんだろう。