1コ下のキミ
「なんで!?」
「行ったとしてもお前絶叫系しか乗らねぇ気がする」
「残念、まずはお化け屋敷でしたー!」
「『まずは』ってなんだよ!?ある意味それだって絶叫だろ!?」
ぜってーコイツ遊園地の絶叫制覇するタイプだ!!
「え〜?龍ちゃんたらお化け怖いんだ〜?」
「お前とだから確実に疲れる予感がすんだよ!!」
「大丈夫だよ」
「何が!?どこが――」
「だいじょーぶっ!」
気付いた時には、郁未の顔が俺にグッと近づいていて、俺は『嫌だ』と言えなくなった。
なぜだろう?
いつも通り強引は強引なんだけど……今日は……今は、なぜだか拒否することが出来なかった。
いつもだったら『お兄ちゃん』っつー単語が出ない限り却下し続けるはずなんだけど……。
「俺は乗る気ないからな」
「それじゃ意味ないんだよ!」