1コ下のキミ


……は?


「え?おい、ちょっ……」


郁未は俺の腕を引っ張って行き、いつの間にか外に出ていた。

そして……そこには一台の車が止まっていた。


「銀……ま、いっか。アレ乗るんだよ!」

「え?あ、あぁ……」


銀……っつーのは車の色?

色なんかなんで気にすんだ?


郁未はドアを開け、後部座席に乗り込んだ。

俺もその隣に乗り込む。


「河崎(かわさき)さん、おはようございます。すみません朝から」

「いや、大丈夫です」


河崎と呼ばれた運転手。

……年上……だよな?

なのに敬語か?


「よろしくお願いします……」

「あぁ」


とりあえず、あいさつしておいた。
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