はつあい~君と僕との恋愛定理~






こつん、とおでこを突かれた。

桃色のUSBで。



そして、普段は私の10㎝は上にある先生の顔が



…私の目の前にあった。






「そんな大声出すなよ。

まるで俺がヘンなことしてるみたいじゃないか。」



ちょっと呆れたようにそれだけ言うと、ぽいっと先生の手からUSBが投げられた。



「せっかくだから仕上げてから帰れよ。

俺まだ用事あるし、それにチェックもしたい。」




先生はふらふらっと椅子に腰かけ、コーヒーメーカーの中を見ながら言う。



ふんわりとブラックコーヒーの香りが、私のところまで来た。





「…はーい、ありがとうございます。」





よかった、返事できて。



今でも心臓がドクドクと響いている。





< 15 / 24 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop