はつあい~君と僕との恋愛定理~
日頃明るいことが長所な私がため息をつくってことは、相当なことがあったという証拠。
…まあ簡単に言うと昨日彼氏にこっぴどく振られたというわけだが。
そんな日の翌日に、のうのうと研究できるほど私はまだ人間できてない。
というか、昨日なんてずっと泣いていて、今も目が腫れてるほど。
この香芝先生に慰めてもらおうとは思っていないけど、泣き事のひとつやふたつは言いたくなる。
全然研究に身が入っていない私はもう一回くらい先生から厭味を言われると思っていたら、
当の先生は静かに、じっと私を見つめていた。
…いや、見てた。
そして、先生はいつもとはちがう、クセのない暖かい笑顔でこう言った。
「じゃあ俺が恋愛教えてやろうか」