はつあい~君と僕との恋愛定理~
じっと私の方を見ている先生を見返しながら、私は必死に声を出した。
「……………いや、遠慮しておきマス」
「じゃあ研究がんばりなさい」
「はーい」
それだけ言うと、先生は「会議があるから、僕は先に出るよ」とだけ言い残して出て行った。
今日は研究に来ているのは、私だけ。
まあ元々配属の学生はたったの3人だけだけど。
そして先生を笑顔で姿が見えなくなるまで見送った後、
私は、盛大に、もう本気で、今日3回目のため息をついた。
「なになになに、あれは!ていうかあの笑顔!」