魔法の言葉~本当にあった恋の話~
あたしは仕方なく足を止めると

そこは街頭で少し明るくて。




『姉ちゃん、バリ可愛いなぁ!!』



バリ・・・?

初めて聞くな。



てゆうか。

この暗闇に

白のダウンにミニスカにブーツ。


こんな好条件で居れば

誰だってそれなりに可愛く見える。



『俺、怪しい奴ちゃうからさ!!

少し、一緒に話さん?』




明らかに怪しい。

怪しい奴が、自分で怪しいなんて言うわけない。


怪しすぎだろ!!と思っていると


男はあたしの答えも聞かずに車から降りて


助手席のドアを開けて誘導する。



車に乗ったら終わりだ!!って思ったあたしは

もちろん断った。



『車には乗りません』


きょとんとする男。



『何で?怖い?

俺、寒いの苦手やから中で話そうよ』



『嫌です!!

てゆか、帰ります!!』


『車、嫌?

過去に何か嫌な思い出でもあるん?』


『そうゆうわけじゃ無いです』


男は安心したような優しい笑顔で


『わかった!!

車はやめよう。外で話そうか』




男は凄く笑顔で

ポケットに手を入れながら

あたしを道の端に誘導して

楽しそうに話し始めた。
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