last~舞い散る雪の羽根~
「うーす」


「おはよー」


男女問わずにクラスメイト達と挨拶を交わして席につく。


おれの席は、窓際の一番前の席。


真後ろに井口の席がある。


井口はカバンを置くなり、女子のグループの会話に入っていった。


「おい和人、聞いたか?」


おれが来るなり、女子と楽しげに会話していた匠が寄ってくる。


「なんだ匠、女子に人気があるゲテモノ料理でも調査したのか」


「なんで俺がそんなもの調べなきゃなんねーんだよ」


「落ち着きのないヤツだな。なんだ、言ってみろ」


「なんと、ウチのクラスに転校生が来るらしいぜ」


嬉しさを隠さない笑顔で言う。


「しかもだ」


バンッ!


机を叩く。おれの机だぞバカ野郎。


「とびきりの美少女らしい」


「ふぅん」


「・・・興味なさそーだな」


「実際、ないからな」


「お前、本当に男か?転校生で美少女。まるでマンガみたいじゃないか。この展開で嬉しさを感じないお前はおかしいぞ」


「あのな・・・」


おれはわざとらしく溜息をつく。


< 19 / 36 >

この作品をシェア

pagetop