last~舞い散る雪の羽根~
「ほら、お遊びはそこまでだっ!」


鬼軽部が事態を収める。


「花岡さんも、お遊びはやめなさい。席は、窓際の一番後ろに作っておいたから、とりあえず座っておいてくれ」


「はいっ」


元気よく返事して席に向かう。


「それと、始業式の前に席替えを行う。くじを作ったから、順番に引いていってくれ」


席替えか・・・。


そういえば、一学期はずっとこの席だったな。


「和っち、とうとうお別れだね」


後ろの井口が声をかけてくる。


「そうだな、おれはお前と過ごした季節を忘れないぞ」


「そういや、あの子と一体なにがあったの?」


当然、花岡のことは気になるよな。


「・・・そばをもらっただけだ、本当だぞ」


「そう」


それで会話は終わった。


井口は、わかっているのだ。


おれが、誰かと恋愛関係になることはないということを。


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