last~舞い散る雪の羽根~
「だいたい、お前らこんな公衆の面前で何やってんだ。恥ずかしいったらありゃしない」


「雪村くんをふたりで待ってたんだよ」


「ふたりでってなんだ、お前らそんなに仲良かったのか」


「今朝方に仲良くなりましたよ」


「ふたりで単5電池の存在意義について語り合ったんだよねー」


「はいっ」


「・・・そ、そうか」


アホなヤツら。


まあ、ふたりが仲良くなったというならおれとしても嬉しいものだ。


・・・そんなに友達多くないからな、若葉は。


花岡としても、転校したてのこの時期に近所に友達ができる、というのはいいことだろう。


まあ、花岡の明るさなら友達なんてすぐにできると思うが。


「さあさあ、行くよ雪村くん、朝は一分一秒を争うからね。れっつらごー!ぷっぷー!」


花岡は自然とこの場にいるのに飽き足らず、自然と場を仕切りだしてきた。


その姿は、なんとなく違和感をおれに与えた。


・・・気のせい、だろうか。


この少女には、花岡明莉には・・・。


若葉と同じ匂いを感じる。


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