last~舞い散る雪の羽根~
ぴんぽーん。


インターフォンが鳴ったのは、ピクルスが俺の口に嫌悪感をもたらしてくれていたときだった。


こんな夜中に誰だ?非常識な。


どうせ隣に住む『アイツ』に違いない。


おれは、無視してピクルスの嫌悪感をなくすために麦ティーで流し込む作業に入った。


ぴんぽーん。


また鳴った。


『アイツ』がしつこいのは知っている。


「すいませーん、開けてくださーい」


やけに明るい声。


しかも女だ。


しかも知らないヤツだ。


・・・『アイツ』じゃないのか?


さすがに出ないわけにはいかないので、玄関先に出動する。



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