【歪童話】帰れないグレーテル
一晩たって兄妹のお腹が空き始め、どこを歩いているかわからなくなってしまった頃……


森のどこかで水色の鳥が歌うのを兄妹は聞きました

『子供が二人迷ってる。おいで、こっちにおいで。お菓子の家が待ってるわ』

ヘンゼルとグレーテルは顔を見合わせるとその次の瞬間、一目散に駆け出しました


そこには前と変わらぬ姿のお菓子の家がありました

ヘンゼルは、

「食べてはいけないよ」

とグレーテルに言いました

「どうして、お兄様?」

「家を食べたことを理由に食べられそうになるのはごめんだからさ」

ヘンゼルはグレーテルの手をひいて、板チョコで作られたドアを開きました
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