【歪童話】帰れないグレーテル
「おや、可愛らしいお客さんね」

家のなかには優しそうなおばあさんがいました

ヘンゼルは無知を装って言いました

「僕たち、森に迷ってしまって、お腹がペコペコなんです」

するとおばあさんはくすりと笑って言いました

「あらあら。でもお菓子のお家を食べようとはしないのね、ヘンゼル」

ヘンゼルは顔を赤くしました

「なんで僕のことを知っているのですか!」

おばあさんは柔らかく微笑みました

「だって私は過去の見える魔女だもの。大丈夫。私は貴方たちを食べようとはしないから」

「本当に?」

「本当に」


そして、魔女の用意したパンとスープを食べ、兄妹は柔らかいベッドで眠りました


魔女は、いつまでもここにいていいのだと、兄妹に言いました
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