*王子様に恋をして*
「怖くないよ」
「………」
「大丈夫だから」
優しく、宥めるように言われて
「あ、あの、手…」
「あ、うん、ごめんね」
「い、いえ」
…まだ、ドキドキ言ってる
昨日の先輩たちの言葉、行為
怖いって、怖かったって、もう嫌だって分かってるのに
実月センパイ、諦めるって決めたのに…
また一昨日のように頭を撫でている大きな先輩の手に安心してる
「まい…」
結子ちゃんに呼ばれてはっとする
後ろを向くと心配そうな目をした2人
「センパイ…あの」
「うん、ばいばい」
「まい、行くよ」
美咲にくいっと手を引かれる
「うん…」
実月センパイに握られた手がまだ熱い