*王子様に恋をして*
「それより…」
「?」
「君、こんなとこで何してるの?」
あっそういえば今私ってば迷子なんだった
移動教室をしてる最中に迷子になりました、なんてまた笑われちゃうよね
でもこのまま分からない廊下を彷徨うのもいやだ…
う~…どうしよう…
何も喋らない私を見て何を思ったのか王子様が口を開く
「君って1年生?」
「そうです、けど」
こくんと頷きながら答える
でもどうして分かったんだろう
疑問に思った私を知ってか知らずか、ネクタイ、と指を刺して色、学年別に違うでしょ?と王子様
そういえばそうだ…
この学園は学年ごとにネクタイの色が違う
1年生は赤
2年生は緑
3年生は青
王子のしているネクタイの色は緑だった
先輩なんだ…曖昧だけど敬語使っておいてよかった…
キーンコーン…
3時間目の始まりを知らせるチャイムが鳴る
やばい遅刻…
美咲たちに怒られる…!
「…移動教室の途中とかだった?」
「え」