*王子様に恋をして*
*告白日和の金曜日*
「ほらほら、まいシャキッとしな!」
「そうですよ、たかが一言、一言です」
「『たかが』って何?!そのたかが一言が私のこれからの高校生生活の良し悪しきめるんだよ?!」
「大丈夫よまい。アンタには始めっから失うものなんてないじゃない…」
にっこり笑いながらサラリと言ってのける親友2人
「『失うものなんて“始めっから”ないじゃない』ってコラ。君たちには親友を応援するっていう心が無いんですか?!」
とても、とてーも憂鬱な日の始まりです
もっと言うとセンパイ達に拉致られた次の日よりもテンション低いかもです
なぜかというと、
「平気よ。告白なんて案外アッサリしたものよ?」
なぜか今日、一目惚れした実月センパイに告白することになってしまったから
「そうです。たった『すきです』それだけです」
「…アッサリだとかそれだけだとか…、二人とも告白の経験でもあるんですか」
「無い」
「無いですけど?」
「まったく言葉に説得力ねーなあオイ」
いつもいい子ちゃんなまいだってこんなことばっか言われちゃあ口も悪くなっちゃいますよ
ちょっとムカムカ、ちょっと緊張を行き来している私をよそに美咲があ…と何かを思い出したように話し出した
「でも私告白したことなくても告白『されたこと』ならあるわよ?」
「………」