*王子様に恋をして*
「あ!実月センパイ!」
人混みの中にセンパイを見つけてこっちです、って大きく手を振る
「おはよ。まいちゃん待ったりした?」
「いいえっ!さっき来たとこです!」
「そう?よかった」
うあ、なんかこの会話のやりとりっていかにもデートの待ち合わせ、って感じじゃない?!
じゃあ行こっか、と歩き出すセンパイに頷いて隣を歩く
思ってた通り私服のセンパイはすっごくかっこいくって
いや、制服着てるセンパイももちろんかっこいいんだけども!!
シンプルな白の洋服に黒のジーパンをはいて体の細さを強調させている
…やばい、センパイ私よりも細いんじゃないか…?
ショックに暗い顔をしていたのだろう私にどうかした?と声をかけてくれるセンパイ
「や、なんでもないですっ」
「本当?具合悪かったらすぐ言ってね」
「! はいっ」
センパイはやっぱり優しくって
それがすごくうれしくて笑顔で答えたら頭を撫でられた
前から思ってたけどセンパイ頭撫でんの好きなのかな?癖?
「ねぇ見てーかわいーあの子達兄妹(きょうだい)かなぁ?」
ふいに聞こえてきた若い、といっても20代前後のカップルの話し声