*王子様に恋をして*
門からぞろぞろと入ってくる新入生
全然着慣れない制服に包まれながらこれからはじまる高校生活に夢を抱く
高校なんて落ち着かないだけだ…
と言っても自分も高校入学のときは高校生がこんなにも面倒くさいものだと思っていなかったが
あれ、結子
門から入ってくる見慣れた顔に視線を向ける
そういえばお母さん、結子がうちに学校来るって言ってたような
特に興味もなかったから聞いてなかったけど
結子は俺の従妹(イトコ)だ
お母さんの兄弟のほうの娘で必要以上にしっかりしている
結子といるときはなぜか俺のほうが年下っぽくなってしまう
そうかそうか結子はもう高校生になるのかお兄さんは結子が立派に育ってくれてうれしいよ
そんなばかなことを考えてみる
「おい郁夜ー、なに新入生見ながらニヤニヤしてんだ」
「あ?んだよ大河」
教室から入ってきたのは小学校からの幼馴染兼親友?の大島大河