君になりたい。

〔プルルー〕

ケータイを鳴らしてみても機械音だけが耳に届いた。

徐々にイライラしてきたわたしの隣りで、香奈ちゃんはさっき化粧品と一緒に買ったであろうお菓子を、ポリポリと呑気に食べている。


「…香奈ちゃん帰ろー
渉くん放置」

「前から思ってたケド、ひよりちゃんってさぁなにげに冷たいよね」

お菓子の袋をゴミ箱に捨てながら言った香奈ちゃんの言葉に、何故かドキッとした。
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