ふだんしかれし。
第一章

演劇部



6月17日午後6時。演劇部室。
独特の埃っぽい匂いのする部屋の中央に7人が掛けられる木の机があり、その机は台本で埋め尽くされている。はっきり言って汚い。

古ぼけたベンチのような長椅子には私と先輩のカバン、そして演劇部のマスコットである、ウサギのぬいぐるみ「ダイゴ」がいる。この「ダイゴ」、ワンピースを着てるんだけど、あくまでも「ダイゴ」だ。ダイゴの横には、豚の「鈴木さん」がいる。この「鈴木さん」、「KissMYnose」と書かれたTシャツを着ているが、相当な年代もので、埃臭く誰もキスしたがらない。
そんな中、演劇部部長であるあきら先輩は「君に届け」を読んでいた。


あきら先輩は紆余曲折あったけど8巻〜10巻くらいで結ばれる少女漫画が大好き。

でも、私はあんまりゆっくりな漫画にイライラする。


私にとってゆっくりな漫画で許せるのは、中村明日美子先生の「同級生」シリーズぐらい。

だってBLって結構展開早いんだよ?

言わずと知れた、中村春菊先生の「純情ロマンチカ」(以下、純ロマ)なんて一巻の最初の方で押し倒してるし。

それに大抵のBL漫画は一巻で完結。(純ロマは長いけどww)続いても4巻ぐらい。

しかし、いかんせんBLコミックは高い。一冊、700円くらい。

はっきり言って財布に優しくない。今年は注目の作家さんの新刊ラッシュで私のお財布はすっからかん。

今月どう過ごそう〜??

その時、部室のドアが開いた。
「あきらチョーップ!!」

「何するの!?」
一年の私、二年のあきら先輩とひとみ先輩の3人しかいない演劇部は、今回、文化祭で公演するにあたり、助っ人を頼んだ。
それが、純先輩。

硬式テニス部所属でこの前の県大会ではシングルスで一位。団体で二位を納めた期待のエース。

何故かあきら先輩と仲がいい。

怪しいとひとみ先輩とにらんでる。
ガラッ
「ごめ〜ん。生徒会が忙しくてさぁ。」
ひとみ先輩登場。

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