【短編】ねぇ…私を見て？

ルーくんに会いたい。


そう思うけど…


ルーくんに我儘なんて言えない。



我儘言って嫌われたくない。



好きになって貰えないなら

せめて嫌われたくない。



それに、今は…



きっと会えば


「別れて」


そう言われる。



わかってるから…。



会いたいけど


会いたくない。




バイト先に覗きに行こうかと思ったけど


よく考えたら、私はバイト先だって知らない。



ルーくんから言ってくれた事もないし


私からは聞けなかった。



聞けばコッソリとでも会いに行っちゃいそうだったし


同じバイト仲間に仲がいい女の子といるのを見て


これ以上、醜い感情を抱くなんてしたくなかった。



「最近のユウ元気なさすぎ」



『そんな事ないよ？』



「そんな事あるし!!!


そういう時は甘い物食べて元気だそ？」



そう言って友達が誘ってくれた

放課後に向かったクレープ屋さん。



「何、食べようかなぁ」



楽しそうに言う友達の横で固まった。




隣の男の人の肩を軽く叩き

笑ってるお姉ちゃん。



無理しないで笑ってるお姉ちゃん久々に見た。



その横で照れたように、笑う男の人…。



２人が出てきたのは大手のレンタルショップ。



今から一緒にDVD見たりするのかな？



私は招きいれてもくれなかったのに…。



２人でいる時はルーくん

そうやってお姉ちゃんに笑うんだね…。



照れて笑う顔なんて…一度も見たことなかった。