【短編】ねぇ…私を見て?
スッと立ち上がった。



ルーくんから私が見えないように背を向けた。



「ユウ…?」



一度もちゃんと名前を読んでくれなかったね…。



溢れそうな涙をグッと飲み込んでた。



『ルーくん…今までごめんね?』




「えっ?」



『この前、見ちゃった』



「…何を?」



それを私に言わすの?



これも天罰なのかな…。


でも、言えそうにないよ…。




『今まで縛り付けてごめんね…


でも、もう終わり』



「はっ?」




『解放してあげる』




涙…お願い…まだ…でないで。



そっと振り返った。



ルーくんの顔は見れないけど…



『今までありがと。


本当に好きな人のところに行って?


別れよ…』



私の事なんかすぐ忘れちゃうかもしれない。




だから、最後は…笑って別れたい。



最後ぐらいは、嫌な思いをさせたくない。



「何…言ってんの?」



俯いたままのルーくんは

聞いた事ない低い声を出した。




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