女番長
第九章「亀裂」
次の日、あたしは加奈に心配かけないために、重い気分のまま学校に向かった。
「おっはよー、真希!」
いつもの調子で声をかけてくる加奈。
あたしはできるだけ普通を装い、教室に向かった。
教室の前…
あたしは立ち止まって、ある人を見た。
あたしの視線の先には…美紀ちゃんがいた。
あたしが見てるのに気づいた美紀ちゃんが、あたしに近づいてきた。
「これで、上原さんも龍に近づかないよね。」
ニコッと笑ってあたしの横を通り過ぎていった。
「えっ…?」
この時のあたしには、意味が分からんかった。