女番長
ガンッ!!!!
「滝沢龍って、どいつや?」
「ふーん。女番長か…フッおもしろいお客さんや。」
滝沢は、嫌な笑みを浮かべながら、こちらをじっと見て、口を開いた。
「叩き潰せ。」
滝沢は、静かにそう言い放った。
そして、周りはそれを待ってたかのように、全員がニヤリと笑って、リーダーっぽい奴の「行くぜ。」という声に、一斉に走り出した。
「みんな、頼むで!」
『はい!!』
あたしの仲間達も、相手の所に向かって走り出す。
喧嘩をする時、だいたいはそのグループのリーダーは、初めは見ている。
というか、それがルールになってると言った方が正しいかもしれん。
誰がそんなルール作ってんって、あたしも思ったりしてる。
だって、仲間がやられるところを見て、苦しくない奴なんていいひんから。
やのに…
アイツ、頭狂ってるんちゃうか?
仲間が血流す姿見て、笑ってるで。
信じられへん。
アイツ、本間に人間か?
そんな滝沢の態度に圧倒されていると、達也が戻ってきた。
「真希さん…、もう動けへん奴いるんすけど、どうしますか?」
そう言う達也も、いろんなところから血が出ていた。
「動けへん奴は、こっちに戻せ。」
あたしがそう言うと、達也はまた戻って、動けへん奴らに戻れと命じていた。
でも、戻ってくる奴は、一人もいいひんかった。