女番長
あたしはその時の事を全て達也に話した。
「そうやったら、今すぐ美紀って奴に誤解解きに行こう!」
達也があたしの腕を掴んで歩きだそうとした時、あたしはそっと達也の腕を掴んで、首を横に振った。
「何で!?誤解なんやろ?それやったら、誤解解きに行こうや!!」
「達也…。あたしは、龍の幸せを一番に考えてる。龍が美紀ちゃんといて幸せなんやったら、あたしは龍の幸せを壊したくない。」
達也はあたしの腕を放して、言った。
「真希は、どこまでお人よしやねん!何で自分の幸せよりも、あいつの幸せ優先すんねん。」
あたしは笑って答えた。
「だって、自分の幸せよりも、好きな人の幸せ優先すんのは、人間の本能やから。」
達也も笑った。
「あいつは、真希にそんなに愛されてんのに…。本間、あいつが憎いわ。」