女番長


「真希さ、美紀ちゃんほっといていいの?このままやったら、また何かされるかもしれんで?」


「それ、俺も思ってた。」


達也も加奈に同意する。


「だって、もう邪魔したくないからさ。それに、今あたしが誤解解きに行ったとしても、多分信じてもらえへんと思うし。」


「はぁー!真希は優しすぎるわ!グループを率いる番長やのに。」

加奈が呆れたように言う。

「本間それ!」


達也もまた、加奈に同意した。


「はいはい。どうせ優しすぎるリーダーですよ!」

あたしは開き直って二人に言った。


「うわ!開き直った!」


三人で笑い合った。



あたしは、今を守りたかった。


こうやって笑い合える今を……。



「さっ!戻ろ!!」

あたし達は部屋から出て、飲んで食べて遊んで、久しぶりの楽しい時間を過ごした。





「今日は本間ありがと。やっぱり真希のグループは最高やな!」

「当たり前やん!あたしが作ったグループなんやから。」

「はは!そうやな。」


ううん、そんなん嘘…。

あたしは何もしてない。

みんなのおかげや、全部…。



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