女番長
第十二章「過去」
あたしは、あることを考えてた。
それは、あたしの…過去やった。
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あれは、あたしがまだ二歳の頃…。
「真希ー!!」
少し遠い所で、誰かがあたしを呼ぶ。
あっ、あれお母さんだ。
隣にお父さんもいる。
二人があたしに手を差し延べる。
あたしは二人に飛び込んだ。
あの時のお父さんお母さんの手が温かかったのを、今でも覚えている。
その頃お母さんのお腹には、あたしの妹になる里菜がいた。
それから数ヶ月後、お母さんは里菜を産んだ。
そして、上原家は四人になり、今まで以上に賑やかになった。
そして…
あたしが中学二年生、里菜が小学六年生になったある日のことやった…。