女番長
刑事さんは、明らかに驚いてた。
「えっ…本間に?」
「はい。」
あたしは、本気で言った。
正直、怖い気持ちもあった。
でもそれ以上に、里菜を守れるのは自分だけやっていう気持ちの方が大きくて…、引き受けることにした。
「で、グループのメンバーは…?」
「それは、自分で集めてきて。」
「え?」
「真希ちゃんがリーダーになるグループやで?それやったら、メンバーもリーダーが決めるもんや。」
「はぁ…。」
「じゃあ、頑張ってや。上には俺が報告するから。グループが決まり次第、言いにきて。」
「わかりました。」
もう、後戻りはできひん。
やるって決めたから…。
お父さん…
お母さん…
見ててや。
あたし、ちゃんと里菜を守るから。
あたしに、力貸してな。
「それじゃあ真希ちゃんは、今日から"女番長"ってことになるし。」
「女…番長。」
不安と期待で複雑な気持ちになりながらも、あたしは新しい一歩を踏み出した。
これが、あたしの女番長への入口。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇