女番長
第十三章「恋の結末」
あたしは複雑な気持ちのまま、部屋から出る。
「あ、真希さん。目どうしたんすか?腫れてますよ?」
「ちょっとあって。」
すると、達也と目が合う。
達也は気まずそうな顔をしながら、あたしに近づいてきた。
「さっきは、ごめんな。」
あたしは慌てて首を横に振る。
「あたしこそ、ごめん。」
本当は分かってるんやで?
達也は、あたしに自分の気持ちを気づかせるために、こんなことしたんやんな?
自分が傷つくことを承知のうえで…。
ごめんな、達也。
辛い思いばっかりさせて、本間ごめん。
あたしは達也の頬にそっと手を添えて、笑顔で言った。
「ありがとう。」
達也の目から、また涙があふれてくる。
あたしは達也の頭を自分の肩に乗せて、みんなから達也が泣いてる姿を見せへんようにした。