女番長
「何のこと?」
あたしは、二人に聞いた。
美紀ちゃんと、男に…。
「あのメールを送ってたのは、私。」
美紀ちゃんが、聞き取れるか聞き取れへんかぐらいの声で言った。
「は?」
意味が分からんかった。
ちょっと待ってよ。
何で龍とつき合ってて幸せな美紀ちゃんが、あたしにそんな嫌がらせしてくるん?
あたしの気持ちを見透かしてるかのように、美紀ちゃんは話しはじめた。
「前に、龍と上原さんが別れて、一回教室で二人っきりになってたでしょ?」
あたしは美紀ちゃんの話を黙って聞く。
「あの時、上原さんが龍に抱き着いてるの見て、ムカついた。だって、もう別れてるのに、今の龍の恋人は私やのに…。」
龍は、またびっくりした顔で、今度は美紀ちゃんを見てた。