女番長


大きな扉を開けて中に足を踏み入れた途端、
「来たらあかん!!」
って真希が叫んだ。


よく見たら、ロープで縛られた龍君と美紀ちゃん、反対側には、鉄パイプを持った知らん男の人がいた。



「達也、手出したら許さへんから。」

達也君を見たら、ちょっとびっくりした顔をして、「分かった。」って静かに言った。



「またお客が増えたわ。」

そう言って微笑む男。

その目に、私は一瞬怖さを覚えた。


「まあいいか。ギャラリーが多い方が面白いもんな。」

すると男は、ゆっくり美紀ちゃん達の方に歩き出した。


「じゃあ、美紀から死んでもらおか。」


美紀ちゃんは涙を流しながら、「やめて!」って叫んでた。


龍君も必死に美紀ちゃんのもとに寄ろうとバタバタしてる。



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