女番長
あれからどれくらい、あたしは滝沢に抱きしめられてたんやろ?
時間も分からんくらい、滝沢にドキドキしてた。
はっきりいって、あたしはこのドキドキの正体に、もう気づいてた。
「真希、ありがとう。」
滝沢がゆっくりとあたしを離す。
「なぁ真希…。」
「ん?」
「俺のこと、まだ何とも思ってない?」
あたしは、言葉に詰まって俯いてしまう。
言えるわけないやろ。
本間はもう"好き"やって。
恥ずかしくてそんなこと言えへんわ。
「滝沢…。」
「ん?」
「あたし、滝沢のこと…。」
ここまできて、やはり口ごもってしまう。
「何?真希…?」
「あたし、滝沢のこと……
好き………。」
最後の方は、声が小さくなってしまった。