女番長
どれくらい時間がたったんやろ?
気づいたら、さっきまで青かった空も、オレンジになってきてた。
「龍、これからどうすんの?」
「俺は、グループ抜けて、家帰るわ。」
「そういえば龍って、弟いるんやな。」
「えっ!?何で知ってんの!?」
予想したとおり、龍は驚いていた。
「海君、かっこいいな。」
「えっ?何で名前まで…。」
龍はあたしに向かっておもいっきり不思議そうな顔をした。
「実は、あたし妹いてな、妹の彼氏やねん。」
「マジで!?」
「うん。」
「そっかぁ。すごい偶然やな。」
すると、龍はハッとしたように言った。
「もうこんな時間やん!真希も早く帰らな、両親が心配するな。」
「龍…、あたしも龍と一緒で、両親いいひんねん。」
「えっ?」
「あたしが中学生の時に、事故で死んじゃった。」
「本間に、俺らどこまで似た者同士なんやろな?」
そう言って龍は笑ってた。
「さてと!じゃあ、今日はあたしが龍を家まで送るわ!」
「えっ?いいの?」
「うん!」
「ありがとう。」
そう言って、龍は立ち上がる。
龍の腕をあたしの肩に回して、支えながら歩いた。