女番長
達也side
俺は、はっきり言って臆病者や。
明日はいよいよ決戦の日やっていうのに、真希さんに弱音を吐いてしまった。
家族もいなくて、家もなくて困っていた時に拾ってもらって、副番長にまでならさせてもらって…
ずっと真希さんには助けてもらってばっかりやのに、だからこそこういう時に恩返しをしなあかんのに…
やっぱり俺は、弱い人間や。
俺がこれまで真希さんに尽くしてきたのには、もう一つ意味がある。
それは…
真希さんが好きやから…。
出会った時に拾ってもらって、その時から俺は、真希さんのことを好きになってた。
だから、真希さんに尽くしていこうと、その時に誓ったんや。
やけど、俺は臆病者やから、真希さんに想いを伝えることができんくて…
伝えたら、この関係が壊れてしまいそうで…
"怖い"
こんな感情、副番長として持ったらあかんもんやのに…
俺は、みんなを引っ張っていく立場なんや。
いつもそう自分に言い聞かせてるのに、やっぱり怖くて仕方がない。
なぁ真希さん…
俺がこんな弱い人間やったって知ったら、真希さん俺を捨てるかな?