女番長


噂というものは怖いものだと、つくづく思わされるあたし…。


でも、誰が回してるんやろ?

あたしと龍が付き合ってることを知ってるのは、あたしと龍と、あたしの仲間と里菜と、海君だけのはず…。



「加奈、それ誰が回してるか知ってる?」


「えーっと、確か隣のクラスの美紀って子やったと思うで!」



やっぱり加奈は頼りになる!
情報網がハンパない加奈は、何でも知っている。


あたしはさっそく、隣のクラスの美紀という子の所に行った。


「あの、美紀っていう子いる?」


あたしが大きな声で言うと、美紀ちゃんらしき子が、あたしに近づいてきた。



あたしはその子を見た途端、固まった。


「あなたが、上原真希さん…。やっと顔が見れた。」


「あ…。」


「あら、私のこと知ってるの?」


「龍のアルバムで…。」



そう。
今あたしの目に映っているのは…



昨日龍のアルバムで見た



女の人の内の一人やった…



「こんなとこじゃ何やから、お昼休みに屋上で話しよ?」


「うん…。」



あたしは、信じられないといった顔で、自分の教室に戻った。




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