女番長
―次の日―
俺はみんなよりも早く起きなあかん。
それは、みんなを起こすため。
それが俺の、仕事でもあるんや。
「おい!みんな起きろ!!」
散らばって寝ているみんなの体が、一斉に動きだす。
「用意した奴らから、真希さんの所に集合な!」
みんなに声をかけて、自分も用意を始める。
みんなよりも一足早くに用意を済ませた俺は、真希さんの所へ向かう。
トントン
「失礼します。」
ガチャッ
「よう、みんな起きたか?」
「はい。今みんな用意してます。」
「そうか。」
真希さんは、窓から空を眺めていた。
「今日は、天気がいいな。」
「はい。」
「よしっ!行くか。」
俺達は部屋を後にして、みんなのもとへ向かった。
『真希さん、おはようございます。』
「おはよ。みんな揃ってるな。今日は、とうとうあたしらが一番に立つ日や!あたしは負ける気なんかさらさらないし、絶対勝つ気やから。」
『はい!!』
「でも、怪我には気をつけろよ!もう無理やって思ったら、やらんくていいから。無理だけは、してほしくない。」
『はい!!』
「じゃあ、行くか!」
真希さんが立ち上がったと同時に、全員が立ち上がった。
出口に向かって歩く真希さんの後ろ姿は、とてもたくましく見えた。