女番長


龍を好きな気持ちは、誰にも負けない。


あたしは、自分に言い聞かせるように、心の中でつぶやいた。





教室に帰ると、心配そうな顔をした加奈が、あたしに寄ってきた。


「真希!何やったん?」


「龍のことでちょっと…。」


加奈は納得がいかへんようやったけど、これ以上聞かへん方がいいと思ったのか、それ以上聞くことはなかった。





その日は無事に学校を終え、あたしは帰り道を一人で歩いていた。


なぜか分からんけど、むしょうに龍に会いたくなって、あたしは龍の家に向かった。




< 61 / 192 >

この作品をシェア

pagetop