女番長
第六章「達也」
真希side
あの日から一週間……
あたしは達也の、"彼女"になった。
あの日あたしが倉庫に帰ると、達也があたしを迎えてくれた。
「真希さん!?何かあったんですか?」
「うん。ちょっとな。」
あたしが部屋に入ったら、達也も追いかけてきて、あたしを後ろから抱きしめた。
「達也…?あたしなら、大丈夫やで?」
「真希さん、強がんないでくださいよ。余計心配しますから。泣きたいんでしょ?なら、俺の胸で泣きたいだけ泣いてくださいよ。」
そんな優しい言葉にあたしも甘えてしまって、あたしは達也の胸の中で泣いた。
少し落ち着いて、あたしは達也から離れた。
「ありがとう。」
「いえ。」
「達也も早く戻んな。」
「真希さん…、俺と付き合ってください。」
達也が真剣に、あたしの顔を見ながら話すから、本気なんだなって実感した。
「でもあたし、龍のことまだ好きやで?」
「分かってます。」
「でもそれで、あたし達也のこと傷つけるかもしれん。」
「それは覚悟してます。龍さんのこと、忘れるためでもいいです。」
「分かった。あたし…達也と付き合う。」
言ってしまった。
こういう時、あたしは"優しさ"というものに弱くなってしまう。
どうしても…
甘えてしまうんだ…。