パパと半年の記録
パパの腫瘍は巨大で、しかも肝臓の中に出来ているらしい。
これは若い人では非常に珍しく、先生達もみんな驚いていたそうだ。
そんな場所にある事から良性である可能性は低い。もしかしたら転移も見つかるかもしれない。
今後は手術をして、その経過から治療を進めて行くそうだ。
「余命宣告とかされてないの?」
「それはされてない。治療して行きましょうって」
「そっか…」
少しだけホッとした。
でも、問題は山済みだと分かってる。
あたしも悠も私立の学校でお金が掛かる。
やはり金銭面の問題は大きく立ちはだかっている。
けど今は、パパが元気になれれば本当にそれで良い。
ママが言った。
「あんなにウザいとか鬱陶しいとか言ってたけど、私たちってこんなにパパが好きだったんだね」
本当だよ…
こんなにパパの事好きなんだから…
お願いだから
あたし達から奪わないで──────