パパと半年の記録
「先生に何言われたの?」


「ん?ああ、治療のこと。まだ若いから、最新の治療が出来る癌センターに移らないかって」


「移るの?」


「パパなんて最新の治療が受けられますって言ってんのに『妻と相談します』って言うからさぁ…『行きます!』って言ってきた



「もー…パパってそう言うとこがなぁ…」


「まだセカンドオピニオンやるだけだけどね」












今はすごく思う…








治療があることがどれだけ幸福か













もし今の時代じゃなかったら…日本に生まれていなかったら…きっとパパはこのまま死んで行くしかなかったのかもしれない










けど、今あたしが生きるこの世界には、パパの癌を直す治療がある












それは、本当に幸せだと思う…















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