パパと半年の記録
11月1日
でも、私はどこかでまだ大丈夫だと思ってた
夜の10時半頃…
ママが帰ってきた
「愛、こっちきてくれる?」
「何?」
この時、胸がざわめいた
二階でもう寝る支度をしていた悠も呼ばれた
もう、何を言われるかなんて分かってた
ママを見るのが怖くて、聞くのも怖かったのに、あたしは早口に言った
「転移したの!?どこに!?」
ママは静かに言った
「転移じゃない。再発したの……もう、完治は出来ないって……」
あたしと悠は言葉を失った
「いつどうなるかわからないから、ママは病院で泊まり込みになると思う。お弁当とかは、お金渡すから、コンビニで、ね…ママ、やってあげられないと思うから」
ママの声が震えてた
「夜も、いつ呼び出しがあるか分からないから、服、用意して寝なさいね」
気丈に振る舞おうとして、淡々と話すママが、私は嫌だった…
けどママが冷たい手でギュッと私たちの手を握った時、ぶわっと涙が溢れた
細くて、冷たいママの手