パパと半年の記録
12月14日
パパが明日、急に退院することになった
体調が安定したから一時的に退院して、これから慣らしていくらしい
あたしは、リビングにあるガラステーブルの下に、パパの手帳があるのを見つけた
あたしは退院のお祝いをデコって書こうと、手帳を開いた。
しかしそこにはあたしの予想に反するものが書いてあった
パパの汚い字で書かれていたのは、癌を宣告された直後の日記だった
“愛の泣き顔が頭から離れない”
“亜紀が居てくれるとほっとする”
“不安”
“悠と愛が見舞いに来てくれた”
それまで見ていた感動のドキュメンタリーでは全然泣けなかったのに、その日記を見たら一気に涙が溢れた
ママが居なかったら絶対泣いていた…
私はママに背を向け、見られないように少しだけ溜まった涙を払って、自分のスケジュール帳をデコるのに使って出したままになってた色鉛筆でパパの手帳に
“退院おめでとう”
“よかったね〜”
と、出来るだけカラフルに、元気が出るように書いた
本当に、このまま元気になって下さい