パパと半年の記録
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「それじゃお大事にね」


「ねえちゃんバイバーイッ」




「バイバーイッ、また来るね」








おじいちゃん家はほんの20分ほどでいて、直ぐに病院に向かった。










面会時間は後30分で終わるので、ほとんど人はいないし、暗い。






「夜の病院ってこわ〜。絶対何か出そう。だから看護師にはなりたくなかったんだよね」





小さい頃に何度かお世話になった病院だが、あまり良い思い出はない。









「パパの病室何階?」


「五階」




ママとエレベーターに乗って五階まで行くと、やはり入院病棟はまだ人が結構いた。






早歩きのママに続きながら、私は初めて見る場所をキョロキョロと見回した。


そして一番端から二番目の四人部屋の右側。廊下側のカーテンをママが開けた。






「パパ」







ママが声を掛けると寝転んでいたパパが起き上がる。







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