パパと半年の記録
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遅い夕食はレトルトカレー。悠は先に食べてお風呂に入っていた。





「愛、ママ図書館行って本返さなきゃいけないから悠が出たらお風呂先に入ってね」


「あたしが明日返しに行こうか?暇だし」


「でも重いよ。確か13冊くらいあったから」


「いいよ。悠と分けて行くから」


「ああ、そっか…でも、パパのところ行ってあげてよ。寂しがってるだろうから」


「ああ、そうだねぇ…パパ寂しがり屋だもんね」




パパはあたしが高校の時から埼玉に単身赴任しているが、向こうにいるときも毎日のように電話してきて、帰りたい帰りたい言っていた。
そしてひと月に一度帰ってくる度に帰りたくないと言っていく。


人は好きじゃないけど、家族は大好き。
まああたしも十分ファザコン、マザコンだと思う。



みんながお父さんとは同じ空気を吸うのも嫌といっているような時期でも、あたしは普通にご飯行ったり、埼玉にも遊びに行った。






確かにウザい時もあったし、死ねとか言ってた時もあったけど、パパがやっぱり好きなのは変えられなかった。








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